瀬戸内海に浮かぶ離島・大崎上島では、農業従事者の高齢化と後継者不足により、かつて果樹園が広がっていた美しい農地が、竹や雑草に覆われた耕作放棄地へと姿を変えつつあります。
私たちABIANは、この島に受け継がれてきた自然と暮らしの風景を守るため、放棄農地の再生に取り組んでいます。
地域の方々と対話を重ねながら、竹林の伐採や土壌整備、規格外農作物の販売など、小さな循環型農業の仕組みづくりを進めています。
この取り組みは、地域資源を有効活用し、持続可能で無理のない農業モデルを構築することを目指すと同時に、将来的には外部人材との連携を視野に入れた“ひらかれた農業”の基盤づくりでもあります。
ABIANは、インドネシア東部のティモール島において、人材育成と日本での就労支援に長年取り組んできました。
その中で、現地の農業従事者の意欲や土地の可能性に触れ、日本の農業現場とつながる機会をつくることの重要性を強く感じています。
将来的には、大崎上島で構築した農業モデルを活かし、ティモール島の若者たちが日本の現場で経験を積み、その知識や技術を現地に持ち帰って農地開発につなげていく——そんな相互循環の関係を築いていきたいと考えています。
瀬戸内海の島々で長年培われてきた柑橘栽培技術を、ティモール島の農業者と共有し、それぞれの気候や土壌に合った形で応用していく。
その過程では、農業を営む者同士が学び合い、視野を広げることができる貴重な交流の場が生まれます。